歯の再移植

歯を抜かなくてはならない状況があったとします。ある歯医者は、抜歯をして、よくできた入れ歯を入れてくれます。また別の歯医者は、何とか歯の根を残し、よくできたクラウンで被せてくれます。そのまた別の医者は、インプラントを入れてくれます。三人の歯科医はそれぞれ名医です。その歯の状況や、診断基準などによっても違いがありますが、お互いの考え方は尊重すべきです。ただ、私が許せないのは、まるで医療を食い物にしているような行為があることです。

地方の先生がインプラントは儲かるからと、大々的に広告を打ち、都心の一等地にインプラントセンターと銘打ってどんどん開業しています。とても使命感や哲学を持って治療しているとは思えません。それらのトラブルを抱えた患者様には、本当にインプラントが必要であったのか疑問が残るケースが多々見られます。
せっかくインプラント治療の信頼性や認知度が上がってきているのに、歯科医がこれを壊しているようでは元も子もありません。

また、インプラントを否定している先生たちにも問題があると思います。否定派に回る歯科医は、過去にインプラント治療を失敗していたり、他の医院で失敗したインプラントを取り外していたり、そうした経験則から否定派に回っているのだと思います。自身の極めて稀な経験則から物ごとを計るのは、科学者のはしくれとしていかがなものかと思います。もっと学術的に談義してもらいたいものです。

さて、話を先程の三人の歯科医の治療について戻すと、できる限り歯は残す。それでもダメな場合はインプラントをする、というコンセンサスがもっとも理にかなっていると私は思います。その際の、歯を残すという治療の選択肢の一つとして、歯の再移植があります。まだ一般にはなじみがない治療法ですが、歯の再移植とはどのようなものなのでしょうか。